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 少し前くらいからになるのだが、経営コンサルタントの私に幹部、もしくは幹部候補生の教育、研修をしてもらえないだろうか、という依頼が増えてきた。確かに私も50歳を超え、そうした方々の前でも少しは講師ぶることはできるようになってきた。
 経営の現場で経営コンサルタントとして四半世紀以上過ごしてみて感じるのは、担い手がいない限りどんな戦略も成功しないということである。経営を実践するうえで重要な人材開発に取り組むことができるのも、経営コンサルタントとしては幸せにつきる。
 同時に、研修の方法も座学中心から、実際の経営課題を解くことを研修の課題とするアクションラーニング型のものが増えている。経営コンサルタントとして、研修に参加されている方々と経営課題を解くことは、まさに腕の見せ所でもある。



 実は、何を隠そう、私は3年間だけGEに勤めたことがある。あれは、マッキンゼーで20年コンサルティング一筋、仕事をした直後である。当時、GEは日本でリテールバンクを立ち上げたいという思いを外部にも漏らしていた。私は、そのプロジェクトのリーダーとなった。
 お蔭さまでGEの3年間に米国本社で行うグローバルな選抜研修に参加することができた。3年間という短い期間ではあったが、人材開発では最先端とされるGEでそのしきくみを味わう機会を頂いた。
 クライアントから人材開発の依頼を受けるたびに、その当時の実体験をベースにしながらも、クライアントの固有のニーズに合わせて研修プログラムをつくっていく。その調合がいい塩梅になることをいつも苦心する。
 ただ、研修が終わり、参加された方々の満足したような表情を見ることが楽しみでもある。



 人材開発は、さらに進化し、最近では戦略コーチとして通常業務において課題を発見、定義して、その課題を解き、行動の意思決定をする際の相談相手をさせていただくことも増えている。
 現場で、執行役員や部長のみなさんが事業計画を立てられる際に、方法論を提供したり、新しい視点を加えさせていただくお手伝いをしている。




アイシンク株式会社 代表取締役
伊藤健太郎 いとう けんたろう
 
有限会社ボナ・ヴィータ 代表取締役
菅野誠二 かんの せいじ