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 今では経営者に対する支援の一環として、少なからずM&Aにかかわる機会が増えた。かつては戦略を策定して、その戦略を自力で達成できるように組織づくりやスキル強化を図ることが多かったが、今や自力でできるようになるまで待つことはできない。
 戦略とは経営資源の再配分のことで、手元にない経営資源(たとえば、事業ノウハウ、スキル、顧客ベースなど)を入手するために、当然のように買収、出資、JV設立などの選択肢を検討することになる。
 特に成長ポテンシャルの高いアジアへの進出を検討するうえで、M&Aは欠かせない選択肢である。クライアントのアジアでのM&Aを支援する機会が増えている。



 ただ、アジアでのM&Aはそんなに簡単なことではない。
言葉が違う。英語でもないので、情報収集が容易ではない。もちろん、日本ではありえない規制や、制度になっていないにせよ、政府方針などに大きく影響されることになる。
 同時に、交渉は比較的馴染んでいる欧米のロジックではなく、アジアの国々のそれぞれ独特のロジックによるものになる。異なるバックグランド、異なる文化を持つ交渉相手にどう対応していくかが成功のカギとなっている。
 たとえば、かつて台湾で買収支援の手伝いをしたことがある。買い手(日本側)と売り手(台湾側)の意思疎通はなかなかとれない。そのときは英語で交渉していたのだが、双方とも英語が堪能な人材であってもなかなか意が伝わらない。私の役割は、日本側のバックグランドを台湾側のFAに説明して質問の意図を分かりやすく売り手に伝えてもらうことだった。
 経営コンサルタントの役割として、異なるバックグランド、異なるカルチャーを持つ人々を結びつけていく仕事が増えている。もちろん、私もそうした仕事にどっぷりつかっている。



 また、アジアでの情報収集は困難を極める。
 アジアの企業、市場について日本語や英語で書かれた書物、ネット情報も多いのだが、本当に価値のある情報は現地語の情報である。事実、現地語の現地情報を得てしまうと、日本語や英語で得た情報がなんとも表面的で外国人である日本人や欧米人の価値観をフィルターとして通したものであることに気づかされる。
 その情報を得るために、現地の優秀な人材に直接アクセスすることを仕事の基本にしている。日本でもアジアでも優秀な人材は優秀であり、優秀な人材とネットワークを持つことが重要であると思う。
 アジアの優秀な人材もまだまだ日本のことを知りたがっている。お互いの国の企業経営や経済市場の深層を教え合うことで、協働もまた活性化する。それが、私の提供できる情報の価値にもつながることになる。
 私ひとりでアジアのすべての国の優秀な人材とネットワークを持つことができるわけではない。それでも、少しずつ信頼の輪が広げていけていることを実感している。




B&Company株式会社 代表取締役社長
太田薫正 おおた しげまさ
 
チャイナリスト投資顧問有限公司 総裁
孫 田夫 そん たお
 
B&Company Vietnam Ltd.
Van Cao ばん かお
 
B&Company Vietnam Ltd. Business Analyst
Vu Kim Chi ぶ きむ ち
 
B&Company Vietnam Ltd. Business Analyst
Bui Ha Phuong ぶ はー ふおん